２歳児に爪を切ってもらうなんて絶対嫌だ。3Dプリンタでおもちゃの爪切り

小さな子どもは親の真似をしたがる。
子どもがよだれかけを嫌がったときは
僕がよだれかけを付けたものです。

そんな我が子は僕が爪を切っていると
寄ってきて僕の爪を切ってくれようとするのですが
２歳児に爪を切ってもらうなんて絶対嫌だ。
切れない爪切りを渡すことにしました。

刃物を子どもに渡すのは怖いので3Dプリンタで爪切りを作りました。これで安全に大人の真似ができる pic.twitter.com/AJJDTUkbyW

— 本城二三男@３歳児によく怒られる (@YHMScq01vLa3x9C) July 13, 2019

CAD説明
今回は動くものですので一度に印刷すると
くっついて動かないので４つの部品に分けて
作成します。

手順１、本体を作る

FreeCADを起動してパートデザインワークベンチに入ります。
『新しいボディ』を作成し
『新規スケッチの作成』からXZ平面を選びます。

２本水平の線を下の位置に作成します。

中心が同じ円弧を２つ作成し
片方の頂点同士を水平の直線で結びます。

２つの円弧の頂点と先に作った直線を
各々『正接拘束』します。
円弧の大きな方を4.5mmで『半径拘束』します。
円弧と上の水平な直線を『垂直拘束』します。

中心が同じ円弧を２つ作成します。

内の円弧を2mmで、外の円弧を4mmで『半径拘束』します。
円弧の各々の頂点と直線を『点を線上に拘束』します。
どちらかの円弧の頂点と直線を『正接拘束』します。

円弧の頂点から始まる２つの直線を作成します。

各々の直線と円弧をそれぞれ『正接拘束』します。
２つの直線の長さを50mmに『距離拘束』します。
外側同士の２つの直線を10°で『角度拘束』します。

直線の端の頂点同士を直線で結び
補助線にします。

補助線の長さを1.5mmで『距離拘束』します。

中心が同じ円弧を２つ作成します。
外の円弧を4.5mmで『半径拘束』します。
下の頂点を直線で結びます。

円弧の頂点と直線の頂点を『一致拘束』します。
外側の円弧と直線を『正接拘束』します。

円弧同士を結んだ直線と補助線を『垂直拘束』します。
円弧同士を結んだ直線と円弧を『垂直拘束』します。

次に支柱を通す穴をあけます。
図の面でスケッチを作成します。

長方形を作成し
４つの角を丸めます。

各円弧を1.5mmで『半径拘束』します。
右の頂点とY軸の距離を-3mmとします。
上下の頂点をX軸に『対称拘束』します。
円弧の頂点間を1mmとします。
穴の縦幅を10mmとします。
スケッチを閉じてポケットを貫通で作成します。

今作成したポケットのスケッチをコピーします。

スケッチを開いて長円の長さ10mmを12mmに変更します。

スケッチを閉じてポケットを先とは逆方向で20mm作成します。

手順２、支柱を作る

新しいボディを作成します。
新規スケッチをXZ平面に作成します。

X軸から17.5mmZ軸から8mmを中心に半径2mmの円を作成します。

ポリラインの作成で図のようにスケッチします。

上の円弧の中心を先の円の中心と『一致拘束』します。
円弧の半径を5mmで拘束します。

縦の線を垂直拘束し２つの角を両方ともX軸上に拘束します。

スケッチを閉じて『面に対して対称』に4mm押し出しします。

手前の面の縦の２本と円弧のエッジを選んで1.5mmでフィレットを作成します。

同様に裏の面にもフィレットを作成します。

次は水平の支柱を作ります。
新しいボディを作成します。
新規スケッチをXZ平面に作成します。
X軸から17.5mmZ軸から8mmを中心に半径1.8mmの円を作成します。

スケッチを閉じて面に対称に10mm押し出します。

手順３、テコを作る

新しいボディを作成します。
新規スケッチをXZ平面に作成します。
X軸から17.5mmZ軸から8mmを中心に楕円弧を作成します。

短軸の長さを3.9mm、長軸の長さを12mmに拘束します。

短軸とX軸の角度を45°にします。

楕円弧の頂点のZ軸に近い方を短軸上に拘束します。
楕円弧の中心から長軸に30°の補助線を作成し
補助線の片方の頂点を楕円弧上に拘束します。
楕円弧のもう一方の頂点を補助線上に拘束します。

初心者向けヘルプ　点の一致拘束ができない

楕円弧の中心から垂直に補助線を作成します。
楕円弧の中心を中心とする円弧を作成し
片方の頂点は楕円弧の頂点と一致させます。
もう片方の円弧の頂点は垂直な補助線の頂点と一致させます。

ポリラインの作成で横に倒したUの字のような形を作成します。

ポリラインの２つの頂点をそれぞれ円弧、楕円弧の頂点と
一致拘束させます。
ポリラインの円弧の中心と楕円弧の中心の横の長さを45mm
ポリラインの円弧の中心の高さを17.5mm
ポリラインの円弧の半径を2mmで拘束します。

楕円弧の中心を中心とした半径1.9mmの円を作成します。

スケッチを閉じて面を対称に10mm押し出します。
新規スケッチを作成を選んでXZ平面で作成します。

中心が縦17.5mm、横8mmの位置にあり
長軸半径12mm、短軸半径6mm
短軸とX軸の傾きが45°の楕円を作成します。

スケッチを閉じて面に対称に4.6mm押し出します。

ワークベンチを『part』に移動します。
コンボニュー上で先ほどのテコ、今の楕円の順に選び
『減算』を選びます。

これでモデリングは完成です。
モデリング上でテコと刃本体が重なっていますが
刃の変形から元に戻る力で動いたてこを戻したいので
わざと最初から力の加わっている位置になるようにしたためです。

この４つの部品を印刷していきます。

接着した結果がこちらです。

子どもは「ぱちんぱちん」と口で言いながら僕の爪を切ってくれています。

ですが、徐々にテコが戻らなくなります。

本体部分が変形してしまったか子どもが押し込みすぎて壊したかですね。

やはりばねは金属か。

推定のフィラメント使用量は1.5ｍです。

数十円と考えれば十分なおもちゃです。